伏魔殿より愛をこめて

~ 『熾天使長閣下の華麗なる業務日誌』 ~

2008年02月の記事

「ノリコさん」の呪縛

私の携帯電話には、もうひとりの「持ち主」が居る――それが「ノリコさん」だ。

私の携帯電話には、たびたび間違い電話が掛かってくる(正確に言えば「間違い」ではないのだが)。
しかも、決まって同じひと――「ノリコさん」――に宛てた電話なのである。
どうも話を聞く限り、「ノリコさん」は私の携帯電話番号の“前の持ち主”であるようだ。
つまり「ノリコさん」は、周囲に自分の携帯電話の番号を変更したことを通達していないのである。
ゆえに、周囲の人びとは「ノリコさんの番号だと思って」私の携帯電話番号に掛けてくるという寸法だ。

これは非常に迷惑な話である。
「ノリコさん」宛ての電話が掛かってくるたびに、上記の説明を延々繰り返しているワタクシ。
もはやここまで来ると、幽霊の呪縛か何かのようにも思えてくる(笑)。
「トイレの花子さん」ならぬ「電話のノリコさん」。 何だか間抜けね。

そんな「ノリコさん」宛てに、やはり最近電話が掛かってくることがあった。
しかしその電話は、これまでの「ノリコさん宛ての電話」とは、ちょっと異なるものであった。

具体的には、30分間に6回も見知らぬ番号から電話が掛かってきたのである(笑)。
しかも1回1回のコール時間は、いずれもおよそ30秒前後。 もはやホラー
私はちょうどその時間帯は昼食をとっていたため、着信に気付かず電話に出られなかった。
まぁ、仮に気付いていたとしても、そんな着信怖くて応じる気にはなれない。

最初は「新手のテレフォンアポイントかな」としか思わなかったのであるが、
翌日の早朝、同じ電話番号からやはり何度も電話が掛かってきた。 というかそれで目が覚めた
流石に、そんな朝早くから電話を掛けてくるようなテレフォンアポイントは存在しないだろう。
そんなこんなで、件の着信に応じた。

電話の主は、全く見知らぬ女性であった。
聞けば、彼女は「ノリコさん」の親戚筋にあたる方だそうで、
同じく「ノリコさん」の親族に御不幸があったらしく、何とかして「ノリコさん」に知らせようとしたらしい。
ゆえに、何度も何度も「ノリコさんの携帯電話番号」に電話を掛けたのだそうだ。

残念ながら、私は「ノリコさん」じゃない。

恐らく「ノリコさん」は、その親族の方の御葬式には出席できなかったことだろう。
私には一切の責任はないのであるが、なんとも「申し訳ないなぁ」という気持ちになってしまう。
私は5年以上この携帯電話番号を使用しているワケだから、
「ノリコさん」は、少なくとも5年以上は“行方不明”の状態にあると考えてよいだろう。

不謹慎な話、「ノリコさん」は既にどこかで人知れず亡くなっているかも知れない。
これだけ彼女は周囲に連絡をしていないのだから、そんな考えが浮かぶこともむべなるかな。

「ノリコさん」の呪縛は、私がこの携帯電話番号を使い続ける限り、消えることはないだろう。
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